先生が私に恋をした
12月下旬
私はあるひとつの決断をして、今先生の隣にいる

「謙介さん、、、」
「んー?」

先生の左肩にもたれながら、手をギュッと繋いだ

「アメリカのことなんだけど、、、」

そう切り出すと先生は私の身体を起こして向き合う
ように座り直した
そんなかしこまって見られると、、、
私はフゥーと大きく深呼吸して話始めた

「ずっと考えてました。どうしたいか、どうするべきか
私は謙介さんのそばにいたい。片時も離れたくない。」
「うん。」

その先の言葉を予測してるかのように先生は
どこか儚くて寂しげだった

「だけど、、、好きだからこそ、大切だからこそ、
私は謙介さんの負担になりたくないし。
迷惑もかけたくない」
「うん、、、」
「だから、私は、、、アメリカには行けません」

言うと同時に強く、強く、先生は私を抱きしめた
先生、、、
本当は付いて行きたい。
出来るならずっとずっと一緒にいたい

だけど、私がいるときっと先生が困ることも心配することも
沢山出てくるに違いない
でも、先生はやさしいから私を優先に考えてしまう
そうすれば、スムーズにいくものもいかなくなる

お互いに歩み寄れなくなって関係が壊れてしまうのは
離れるよりも、もっと、ずっと辛い

だから、、、

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