先生が私に恋をした
「私、別に構わなかったのに」
そう言いながら走り去る車を見つめた

「今日は奏さんにお礼するためだから」

先生は見た目と違って優しい
見た目に問題があるわけじゃなく、近寄りがたい
周りにはそう思われてる
一部を除いてはね
だから勿体ない気さえしてくる


「普通の居酒屋でごめんね、もっとお洒落なお店が
いいかと思ったんだけど、雰囲気苦手でさ」

申し訳なさそうに笑う先生

雰囲気苦手って、分かる気がする

「いえ、私も居酒屋のほうが気楽で好きですから」
「なら、良かった」

本当にこれは事実
気兼ねなくゆっくり出来るのは居酒屋がいい

「奏さん、何飲む?」
「私は、、、ビールを、、、」

あぁ、可愛げない私
ここでカシスオレンジとか言えたらいいのに
甘いのは嫌い
ビール大好き
気取ってどうする。私
先生と個人的に飲むとか、初めてだから
変に緊張しゃう

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