先生が私に恋をした
急接近
午前中の勤務を終えて帰ろうと診察室から出ると

なにやら騒がしい
オペ室の方だ

「最善は尽くしたんですが、、、」
そう言って頭を下げる近藤先生と、補助に入ったのか
かっしーの姿もあった

あ、かっしーと目が合う
立ち聞きなんて、私なにしてんだろ

踵を返しロッカー室へと向かった

かっしー、大丈夫かな
患者さんが亡くなると助けれなかった自分を責める
医師としてどうなのか分からないけど
一人の人としての心は温かい

前に日野先生が言ってた

そこがかっしーの課題だとも

やっぱり心配
こんなときは決まって一人になれる診察室でボーッと
考える

カチャ

診察室のドアをあけると

「やっぱりここにいた」
回転椅子に座ってクルクル回しながら天井を眺めてる
かっしー

「奏さん、、、帰ったと思ってた」
「また落ち込んでるかと思って戻ってきたの。」

アハハと小さく笑った、かっしー

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