先生が私に恋をした
野々宮さんは悪い人じゃないんだけど、生理的に
受け付けないタイプだ
髪はいつもボサボサで身だしなみなんて気にしない
気に入られてるのは分かっていたけど
適当な理由をつけていつも断っていた

郵便物をまとめて受付に持っていく
午後からはフリーだからたまった雑務を片付けないと

お昼をとるため何人かのスタッフと共に休憩室に向かう
長い廊下をわいわい話ながら歩いてると

「奏さん、ちょうど良かった頼みたい仕事あって」
食堂からひょこっと顔を出した

「日野先生」

先行ってるねーとみんなはまた歩き出した

「お昼これからだったの?」
日野先生が私のそばまで来た

「はい、でも、急ぎの仕事なら先にそれをします」
「いや、、、」
キョロキョロと周りを確認したあと

「明日の夜会えないかな?今日も明日もオペ室だから
ちょっと遅くなると思うけど、、、」
「明日は先約があって、、、」
ごめんなさいと会釈をすると
「明後日なら大丈夫?」
「はい」

良かった。先生は笑顔を残してオペ室の方へと
スタスタと歩く後ろ姿に思わずドキッとしてしまう





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