先生が私に恋をした
「なに見てたのー?」

背中が触れるか触れないか位の距離にかっしーがいた

「わっ!いつの間に!?」
「たった今」

白衣のボタンを全開にして、両手をポケットに突っ込んだ
かっしーはイタズラっ子みたいにイヒヒと笑った

私もかっしーも暗黙の了解と言わんばかりに
何事もなかったかのように自然と接し合う

「あ、私お昼休憩行くんだった。じゃあね」
「奏さん、忘れ物ー」

かっしーが歩き出した私を呼び止める
ん?忘れ物なんかあったっけ?
不思議に思いながらかっしーのもとへ

かっしーは人差し指で自分の唇に触れると
その人差し指で今度は私の唇に触れた

「間接キス」

またイタズラな笑みを浮かべて
私を追い越していってしまった

何が起きたか状況を把握した私は
一気に恥ずかしさとかっしーのペースに完全に流されてる
ことに混乱するしかなかった



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