先生が私に恋をした
あれから一週間

日野先生はあの日から何となく私を避けるようになった
仕事中は普通に接してくれるけど、今までのような会話も
ご飯に誘うこともなくなった

その理由も分からず、私はただ淡々と仕事をこなす
だけになっていた


診察が終わり、一人PCに向かって紹介状の下書き
(本文以外。)をしていた

プルルプルル


内線がなり、入力の手を止めて出る

「はい、外来、原田です」
「奏さん、日野です」
「お疲れ様です。どうしました?」
「手が空いてたら俺の医局に来てくれる?」
「あ、はい。わかりました」

電話を切って二階の医局に向かう

掃除し忘れた箇所でもあったかな
あまり深く考えず、エレベーターに乗る

ーDr.日野ー
そう書かれたプレートを確かめてノックする

コンコン

「先生、原田です」

先生が顔を出す。
どうぞと、ドアを開けて私を招き入れた

「なにか不備ありましたか?」
一応辺りをくるりと見回す

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