先生が私に恋をした
嬉しいはずなのに、私は返事が出来ないでいた

「奏?返事は?」
「えっと、、、」

身体を少し離して私の顔を覗き込む
どうしよう、、、なんて言えば。
私はどうしたいんだろう。
予測して考える時間は沢山あったはずなのに
なのに、私は、、、

「奏?結婚、したくなくなった?」
「違う。けど、、、」
「けど、なに?」

答えを急かす真治に焦りを覚えた私は

「真治、ごめん。
少し考えたい。今仕事を辞めたくないの
まだまだ働きたい。仕事が好きなの」
「仕事辞めて家庭に入りたいって切望してたのに?」
「その時はそう思ってたんだけど、だんだん軌道に
乗って楽しくて、、、」
「、、、そっか。わかった。」

真治は切なそうに私を見つめた
ごめん、真治。
私たち、どこでズレたんだろう。
真治は悪くない、私がいつまでもハッキリしないのが
悪いんだ

「帰るか、、、」
「うん」

言葉少なく車に乗ると、真治は静かに車を走らせた
まるで、このまま時間が止まればいいのに、、、
と言わんばかりに。


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