先生が私に恋をした
答えを見出だせないまま、ただ時間だけが過ぎていく

そして、数日たったある日

「奏さん、俺、婚約白紙に戻したんだ」

二人きりの診察室に衝撃的な事実が響き渡った
なに、それ、どういうこと?

「いつ?」

絞り出した一言にかっしーは平然と答えた

「んー、一ヶ月近くなるかなー、忘れた」

と、忘れるもんなの?それ。
あまりにも衝撃的でなんて返していいのか分からなくて

きっと、いや、絶対それは私が関係してるわけで、
私の中にズシリと重くのし掛かってくる
大切だったはずの人、結婚を誓って順当に進んでたであろう
人生を私が変えてしまったんだ

私、何をしてるんだろう
自分で自分が嫌になる

「私の、、、せいだね。相手の人に辛い思いをさせて、、、ごめんなさい」
「奏さんのせいじゃない。俺が奏さんを好きになった
んだから」
「でも、、、私がいつまでもハッキリしないから
こんなことに」
「奏さんが俺を選んでも選ばなくても、もう彼女に気持ちが向いてないのに結婚は出来ない。
そう思ったから、白紙にしたんだよ。だから、奏さんは
自分を責めたりしないで。ね?」

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