先生が私に恋をした
「結婚かぁ~、、、」

私の向かい側に座り、ビール片手に呟いたのは
親友の夕子 同い年で独身
夕子とは前職で知り合い、正反対の性格なのに妙に
うまがあって現在に至る

「うん。私も来年には30だし。タイミング的には
全然問題ないんだけどさ、、、」
「う~ん、年齢はさておき、問題ありなのは今置かれてる
状況でしょ?」
「う、確かに」

何杯目になるか、夕子がまたビールを頼んでポテトをひとつ
口に放り込んだ

「奏はさ、真治さんのことちゃんと好き?」

夕子には何度か会わせたことがあるから、真治の性格も
よく知ってる。
だから、結論が出ず夕子に相談を持ちかけた

好き、、、か
この言葉がこんなに難しいと思ったことはなかった
今はその好きさえも分からない
そんな深刻な事態に直面してる

「正直、分からない
好きなんて言葉何回も使ってきてるのに、今は簡単に
出てくれない」
「事態は深刻だね、、、好きか分からないってヤバい
でしょ、普通に考えてさ」

その通りだ

だけど、私はちゃんと決断しなきゃない

イエスかノーか



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