リンク・イット・オール



「私……真紘先輩に優しくしてもらっていい人間じゃないです」



眩しく優しいあなたに、救われた。

だけど、こんな自分には勿体なさすぎて、心苦しいときもある。



「私は、なんで自分が生きてるのかすらわからない」



ぽた、ぽた、と涙がマットに落ちていく。

繰り返し落ちる雫のように、あの日から何度も何度も自分を責めた。



どうして私が生きているの。

お母さんがいないのに

お母さんのほうが、ここにいるべきなのに。



「お母さんじゃなくて、私が代わりに……」



ーー私が代わりに、死ねばよかった。

そう言いかけた、瞬間。真紘先輩は私の口を右手でそっと塞いだ。

それ以上の言葉を、言わせないように。



「それ以上は言うな。……言っちゃ、ダメだ」



真紘先輩は悲しげに目を細めそうつぶやくと、口元から手を外し、なだめるようにそっと私の頭を撫でた。



「体が弱い中命がけで産んで愛情持って育てた娘が、自分のせいでそんなこと言ったら、お母さんがきっと悲しむ」



お母さんが、悲しむ……。

言われてから自分がお母さんの立場だったら、と考えると確かに胸が痛くなった。


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