リンク・イット・オール
小さなカウンターでチケットを出し受付を済ませると、ホールの中へ入る。
100人ほど人が入ればいっぱいになってしまいそうな小さめのホールの中には、お客さんや出演者などすでにたくさんの人がいた。
中には赤や青など派手な髪色の人や、ピアスや刺青だらけの人から、黒髪の地味な高校生など様々な人がいる。
なんだか私、場違い感が……!
「あっ、ミカちゃん発見!じゃあ俺ミカちゃんのところ行くから!」
入って早速、笹沼先輩は女の子を見つけて駆け寄って行った。
「行っちゃいましたね、笹沼先輩」
「あいつミカちゃんラブだからなぁ。……ミカちゃん彼氏いるけど」
あぁ……笹沼先輩、不憫。
知っているのかいないのか、チケットまで買って尽くす笹沼先輩がちょっと可哀想に思えた。
「俺らは俺らで端で見てよ。ワンドリンク制だけどなに飲む?」
「あ、じゃあお茶で……」
飲み物代がチケット代に含まれていたらしい。
真紘先輩は慣れた様子でカウンターへ行き、飲み物が入ったカップをふたつ持って来た。