リンク・イット・オール
それから数日が経ち、季節は10月に入った。
暑さが和らいだかと思えば少し肌寒く、長袖の制服が丁度いい気温だ。
そんな中、校内は皆なんだかそわそわと落ち着きない。
というのも、一ヶ月後の11月頭には文化祭を控えているからだ。
クラスの出し物を決めたホームルームが終わり、迎えた放課後。
莉乃ちゃんは荷物をまとめながらウキウキと言う。
「楽しみだねー、文化祭」
「うん。中学の文化祭は、どちらかというと発表会だったもんね」
合唱コンクールなどが主だった中学の文化祭を思い出しながら、苦笑いをこぼす。
話し合いの結果決まったうちのクラスの出し物は、たこ焼き屋だ。
役割分担の結果私は調理、莉乃ちゃんは販売、松永くんは呼び込みのグループに分かれたのだった。
「莉乃ちゃんは部活でも出し物あるんだっけ?」
「うん。と言っても、文芸部は自分で書いた小説とか書籍レビューとかを展示しておくだけだから。当日はすることないんだよね」
「へぇ……莉乃ちゃんが書いた作品楽しみだなぁ」
ふふ、と笑うと莉乃ちゃんも照れ臭そうに笑う。
そのやりとりを見て、話を聞いていた松永くんはたずねた。