リンク・イット・オール

まずい、プレゼント紛れ込ませてない！

楽譜と一緒に手に持ったままの包みを思い出し、まずいと気づく。



……でも、むしろ今がチャンスなのかもしれない。

このままじゃ、ちゃんと直接渡せばよかった、伝えればよかったといつか後悔するかもしれない。



そんな後悔は、もういやだから。

まっすぐに、伝えよう。



「あ、あの！」

「ん？なに？」



こちらを見た真紘先輩に、私は手にしていた包みをバッと勢いよく差し出す。



「お……お誕生日、おめでとうございます！これ、ささやかですが！」



恥ずかしさと緊張で、指先がちょっと震える。

すると彼は、その包みをそっと受け取った。



「開けていい？」



その問いに小さく頷くと、真紘先輩は封をしてあったシールを丁寧に剥がし、包みを開けた。

中から出てきたのは、シルバーに青緑色の石がほどこされた小さめのピアスだ。



「誕生石のピアス、なんですけど」

「へぇ、綺麗な色」



爽やかな青緑色の石を、太陽に当てながらまじまじと見る。