リンク・イット・オール
「そういえば、文化祭当日どうする?当番の時間合わせて3人で回る?あ、でも悠には愛しの池園先輩がいるからお邪魔しちゃ悪いか」
「え!?」
い、愛しの!?
からかうような言い方をされて、頬がボッと熱くなる。
「ち、違うよ!真紘先輩とはそういう関係じゃなくてっ……私が一方的にというか、あ!いやでも片想いしてるとかじゃなくて!先輩として!人として慕っているというか!」
自分の想いを隠すようにしどろもどろで誤魔化す。けれどそんな私の態度は余計バレバレのようで、莉乃ちゃんはおかしそうに笑う。
「悠ってばわかりやすすぎ。そんな真っ赤な顔じゃ、言えば言うほど『片想いしてます』って言ってるようなものじゃん」
うっ……。確かに、そうかも。
真っ赤な顔で、それ以上否定する言葉も出てこない。こんなの肯定してるようなものだ。
自分の気持ちを知られることが恥ずかしくて、両手で顔を覆う。
「でもそれなら尚更、文化祭はチャンスじゃん!告白しちゃいなよ!」
「え!?こ、告白って……そんな」
「モタモタしてるうちに先輩が誰かと付き合っちゃってもいいの?いやでしょ?じゃあ動くしかないじゃん!」
た、たしかにそうだけど……。
「悠はもっと積極性を出さなきゃダメ!」
莉乃ちゃんに圧倒され、私は「は、はい」と返事をするしかできなかった。