リンク・イット・オール



朝も放課後も真紘先輩と会うことがない毎日。

私にとってはつい数ヶ月前の、元の日々に戻っただけなのに。この静けさがやけに寂しい。



だけどきっと、私の言葉はなにひとつ彼には届かない。



どうしたら、いいんだろう。






「はぁ……」



11月頭の土曜日にある文化祭まで、あと一週間を切った月曜日の朝。

朝ごはんのトーストをかじりながら、思わず口からため息が出た。



そんな私を見て、お弁当を作り終えたお父さんは不思議そうな顔で向かいの席に座る。



「どうかしたのか?ため息なんてついて」

「うん、ちょっと」

「勉強のことか?あ、それとも莉乃ちゃんと喧嘩でも……はっ!まさかバンドマンとなにかあったのか!?」



男の話題となった途端に、お父さんはいつもは穏やかな目をキッと釣り上げる。



「ち、違う違う。友達のことで」



慌てて言い訳のように言った『友達』という呼び名に、お父さんは「そうか」と安堵するように胸をなでおろす。


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