リンク・イット・オール
もう、相変わらず心配性なんだから。
そう思いながら、ひとつの考えが浮かぶ。
……真紘先輩のこと、お父さんに相談してみようかな。
真紘先輩に進路のことを相談したときのように、もしかしたら、誰かにたずねることで答えが少しでも見えるかもしれない。
今この胸を占めるのが彼の存在だと気づかれたら、お父さんには嫌な顔をされてしまうかもしれない。
だけどそれでも、ほんの少しでも答えに近づきたい。
そう思い、私は口に含んだトーストを飲み込んで言う。
「……お父さんはさ、学生の頃、将来の夢とかあった?」
「将来の夢?いきなりだな」
不思議そうに言いながらも、お父さんは思い出しながら答えてくれる。
「高校の頃はサッカー選手になるのが夢だったよ。高校生の日本選抜にも選ばれてたくらいだし」
「えっ、そうだったの?」
確かに、日曜日には地域の子供達向けのサッカーチームでコーチをしているくらいだ。
サッカーが上手なんだろうとは思っていたけれど、まさかそこまでとは。
驚き、次にはまた疑問が浮かぶ。