リンク・イット・オール



もう、相変わらず心配性なんだから。

そう思いながら、ひとつの考えが浮かぶ。



……真紘先輩のこと、お父さんに相談してみようかな。

真紘先輩に進路のことを相談したときのように、もしかしたら、誰かにたずねることで答えが少しでも見えるかもしれない。


今この胸を占めるのが彼の存在だと気づかれたら、お父さんには嫌な顔をされてしまうかもしれない。

だけどそれでも、ほんの少しでも答えに近づきたい。



そう思い、私は口に含んだトーストを飲み込んで言う。



「……お父さんはさ、学生の頃、将来の夢とかあった?」

「将来の夢?いきなりだな」



不思議そうに言いながらも、お父さんは思い出しながら答えてくれる。



「高校の頃はサッカー選手になるのが夢だったよ。高校生の日本選抜にも選ばれてたくらいだし」

「えっ、そうだったの?」



確かに、日曜日には地域の子供達向けのサッカーチームでコーチをしているくらいだ。

サッカーが上手なんだろうとは思っていたけれど、まさかそこまでとは。


驚き、次にはまた疑問が浮かぶ。


< 162 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop