リンク・イット・オール
「うわ、マジか……今回こそまともそうな人が来たと思ったのに……」
「す、すみません……!」
って、怒らせるより本気で落ち込ませてしまった。
悲しげに深いため息をつく彼に、オロオロとするしかできない。
「あれ、それじゃあさっきなにに『見つけた』って言ったの?」
「えっ」
私があの瞬間見つけたのは、あの日と同じあなたの声。
けど、彼はもう覚えていないかもしれない。
そう思うと素直に言うことができなくて、濁したような言い方をする。
「えと……あなたの声を、みつけて。つい」
はっ、いきなりこんなこと言い出して変な奴だと思われる!?
「あの、だから、その」としどろもどろになっていると、彼は吹き出し笑った。
「ははっ、なんだそれ」
その反応は少し意外で、だけど目を細めて大きな口で笑う表情に少し安心した。
彼はひと通り笑終えて、苦しそうに息を整えると笑顔のまま私を見上げる。