リンク・イット・オール



「それ気に入った。俺は2年の池園真紘。そっちは?」

「百瀬悠、1年生です」

「悠、な。俺のことは真紘でいいから」



彼……真紘先輩は、そう言うとしゃがんだまま私に手を伸ばす。

とっさにその手をとると、握手をする形で握り立ち上がった。



「なぁ、部活とか特に入ってないならうち入れば?」

「いえ、でも……」



入れば、と言われても……。

確かになんの部活にも入っていないし、あの日の彼から『気に入った』と言ってもらえるなんてとても嬉しい。



けど、軽音楽部だなんて。

そんな思いから言葉を詰まらせていると、突然ガラッと勢いよくドアが開けられた。



「ちーっす!お疲れー!!」



そこから元気よく入って来たのは、軽音楽部のメンバーらしき男子生徒3名。


< 18 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop