リンク・イット・オール
「それ気に入った。俺は2年の池園真紘。そっちは?」
「百瀬悠、1年生です」
「悠、な。俺のことは真紘でいいから」
彼……真紘先輩は、そう言うとしゃがんだまま私に手を伸ばす。
とっさにその手をとると、握手をする形で握り立ち上がった。
「なぁ、部活とか特に入ってないならうち入れば?」
「いえ、でも……」
入れば、と言われても……。
確かになんの部活にも入っていないし、あの日の彼から『気に入った』と言ってもらえるなんてとても嬉しい。
けど、軽音楽部だなんて。
そんな思いから言葉を詰まらせていると、突然ガラッと勢いよくドアが開けられた。
「ちーっす!お疲れー!!」
そこから元気よく入って来たのは、軽音楽部のメンバーらしき男子生徒3名。