リンク・イット・オール
「真紘先輩にだから聴いてほしい。真紘先輩にだから、届けたいんです。だから、その……」
溢れ出す想いに、それ以上上手く言葉が出てこない。
「来てくれなきゃ、いやですから!」
あの、その、と繰り返した結果、私は大声でそれだけを言うと、真紘先輩から手を離しその場を駆け出した。
「あっ……悠!」
名前を呼ぶ彼の声も、聞こえないふりをして。
文化祭に来てほしい、そう説得するはずが、最終的にキレたような言い方になってしまった……!
感じ悪くなかったかな。逆に行きたくないとか思わせてしまってないかな。
だけど、真紘先輩の前では、こんなにも感情に突き動かされたように言葉が出てくる。
そんな特別なあなたのことを想って。
精いっぱい、歌うから。
どうかその胸に、ほんの少しでも届きますように。
願いながら見上げた夜空には、無数の星々が輝いていた。