リンク・イット・オール
先陣切って入って来たパーカー姿の人は、赤い髪に南京錠のネックレス、とまさしくロックな派手な見た目。
その後ろを歩く茶髪の人はタンクトップ姿でムキムキな筋肉を見せている。
黒髪の一見大人しそうな人もいる、と思いきや耳には普通のピアスよりも大きな穴が開いていたり……。
「あれ!?女子がいる!?」
「まさかヒロお前、部室に彼女を連れ込み……!?」
すごい見た目の人々から一気に視線を向けられ、怖くなってしまった。
「きょ、今日は帰ります!失礼します!」
私は慌ててお辞儀をすると、ダッシュで視聴覚室を飛び出す。
「あっ、悠!またな!」
背後から名前を呼ぶ、彼の声を聞きながら。