リンク・イット・オール
「ちょっと悠、大丈夫!?」
すると、その声とともにバタバタと近づく足音が響く。
見るとこちらへ駆け寄ってきたのは、同じクラスの莉乃ちゃんと松永くんだ。
床に膝をつく私を見て莉乃ちゃんはすぐ手を差し伸べ立ち上がらせてくれる。
一方で松永くんは、散らばったノートを拾い集めてくれた。
「大丈夫か?ケガしてないか?」
「大丈夫、ありがとう」
「今のちょうど見てたけど、ひどいよね、あの人たち!」
莉乃ちゃんは茶色いボブを揺らしながら、私の代わりに怒ってくれる。
松永くんはそんな彼女をなだめながら、あっという間に集めたノートを私に手渡した。
しっかりしていていつも私をリードしてくれる莉乃ちゃんに、まるでお兄ちゃんのような落ち着きで見守ってくれる松永くん。
ふたりは中学から仲のいい、私の数少ない友達だ。