リンク・イット・オール
「ほら、笹沼たちもなんか言って」
真紘先輩にせっつかれて、それまで黙っていた先輩たちも口を開く。
「まぁ、ヒロがそこまで言う相手ならいいんじゃないか?」
「そんな興奮した顔で褒められたら、こっちも嬉しくなるしな」
笑顔で受け入れる関先輩に、照れ臭そうに言う笹沼先輩。
そんなふたりの言葉を聞いたうえで真紘先輩は『お前もなんか言え』といった視線を高田先輩に向けた。
こういうシーンで話すのがあまり得意ではないのだろう。高田先輩は少し考えて渋々口を開く。
「あー……じゃあ、幸せにします。入部してください」
「ってプロポーズか」
本気なのかボケなのか、真顔で言う高田先輩に、笹沼先輩はすかさず突っ込む。
つい先ほどまで真剣な顔で演奏していた彼らの、そんなやりとりがなんだかおかしくて、私は思わずクスクスと笑ってしまった。
それを見て、4人も顔を合わせて笑う。
私になにができるのかは、わからない。
だけどひとつだけ、思うことがある。