リンク・イット・オール
「晴れが好きだから雨が嫌い、になったらいいね」
晴れが好き、だから……。
それは、一見同じように見えて今の私とは違う言葉。
嫌いが先にくるのではなく、好きが先にくるといい。
そんな彼のポジティブな思想が感じ取れて、自分の心にはなかった明るさを与えられた気がした。
「……はい」
小さく頷くと、真紘先輩も笑って頷く。彼の笑顔を見ると、私もつられて笑ってしまう。
「笹沼先輩たち、まだ来ないですね」
「笹沼は補習。関は運動部の手伝いで、高田は……たぶんどっかで居眠りしてる」
「ふふ、皆さんなんだかイメージつきます」
勉強が苦手そうな笹沼先輩、運動部も顔負けの動きをしそうな関先輩、保健室あたりで寝てしまっていそうな高田先輩。
まだそんなに顔を合わせていないのに、それぞれ簡単に想像がついてしまう。
真紘先輩は話しながら開けたままの窓際に座ると、自分の隣をポンポンと叩く。