リンク・イット・オール
「好きです……」
「え?」
「私、真紘先輩のその歌……すごく好きです」
この前聴いた、激しく強い歌声もかっこよかった。
だけど、やっぱりその歌にこの心は救われる。
「優しくて、あたたかくて、真紘先輩の声のいいところがたくさん詰まってて、大好きです」
この心はすぐ、悲しさや寂しさに引きずられて、暗闇にのまれてしまう。
だけどその度、彼の歌声は光で照らしてくれる。
胸に絡む悲しさも寂しさも、そっとほどいて優しさで包んでくれる。
彼の歌声に、愛しさを感じる。
思いを伝え、ぐす、ぐす、と泣く私に、真紘先輩は伸ばした指先で涙をそっと拭った。
「そんなに泣くほど?」
「はいぃ〜……」
涙声で情けなく言うと、彼は「ははっ」と笑う。
「そっか、ありがとな」
その言葉を口にする真紘先輩は、目を細め、少し照れくさそうながらも嬉しそうに微笑んだ。
「すみません、私……いきなり泣き出したり、ベラベラ喋ったりして」
「いいよ。それに、好きってストレートに言ってもらえるの、嬉しい」
嬉しい……?