リンク・イット・オール



「お疲れ……って、あれ。お取り込み中?」



すると、そこにガラッとドアを開けやってきたのは高田先輩。

寝起きのようなボーッとした顔でこちらを見て言った彼に、はっとして今の私と真紘先輩の状況に気づいた。



お、お取り込み中って……変な誤解されちゃう!



「い、いえ、全く取り込んではいなくて……」

「イチャつくなら部室ではやめてよね。あ、今なら保健室空いてるけど」

「って余計なお世話だから」



真っ赤な顔で否定する私の一方で、真紘先輩は呆れたように笑って手を離す。

そして立ち上がると、窓際から高田先輩の元へ近づき「そういえばさー」と会話を始めた。



続くように私も立ち上がると、窓の外では、いつのまにか傾いた日がオレンジ色に染まり始めている。

青と白、オレンジ色がグラデーションを描く、美しい空。



「きれい……」



ありがとう、なんて伝えたいのは私のほうなんだよ。

あなたが歌い笑ってくれるから、今この空を素直に綺麗だと見つめていられる。

顔を上げて、いられる。



いつか、この空が好きだから雨が降らないでほしい、と思える日が来たらいい。





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