リンク・イット・オール
「悠、おはよー……ってなにその顔色!」
教室へ入ると、今日は少し先に来ていた莉乃ちゃんたちが私の顔を見た途端に駆け寄ってくる。
余程私の顔色がいつもと違うのだろう。
けど、申し訳ないけれど莉乃ちゃんの大きな声に頭が余計くらくらする。
「ちょっと目眩がしてて」
うまく笑えない苦い顔で、精いっぱい明るく言ってみるけれど、莉乃ちゃんの隣に立つ松永くんはすかさず私の額に手を当て熱を測る。
「熱はなさそうだな。なにか薬は飲んだか?」
「ううん、どんな薬を飲めばいいかがわからなくて……ひどくなるようだったら保健室行ってみるよ」
そう話して席に着くと、体から少し力が抜けた。
今朝は真紘先輩に会わなくてよかった。体調悪いなんて知られたら、きっと心配かけちゃう。
放課後までに調子よくなるといいな。
なんて、こんな時まで部活に行こうとしている自分がちょっとおかしい。