リンク・イット・オール
今週に入って部活には毎日行っているけれど、皆バイトがあるとか他の部活の手伝いとかでまだ全員は揃わないので、なかなか合わせた音は聴けていない。
基本的にはトランプをしていたり、すごろくをしていたりと遊んでばかりの彼らだ。
けれど、時折各自で音を出していることがあり、それを見たり聴いたりしているのも楽しい。
弦楽器の細い弦を器用に弾く指先を目で追うのも、両手足を動かし力一杯ドラムを叩く姿を見ているのも。
そして、鼻歌のように軽やかに歌う真紘先輩の声を聴くことも。
この数日で、私にとって放課後は楽しみの時間となっていた。
真紘先輩たちと過ごす時間は、楽しい。
だけどその分、ひとりの時間がいっそう寂しくなる。
それから、授業を受けているうちに、徐々にだるさが体を襲う。
それは昼休みになっても変わらず、目眩と気持ち悪さとだるさで昼食をとる気にもなれなかった。
「5限目図書室で自習だって。悠、保健室行って休んでおく?」
「ううん、大丈夫だよ」
体調を気にかけてくれる莉乃ちゃんに、そう笑って答えると、私はノートと筆記用具を手に教室を出る。