リンク・イット・オール
「あっあの!なんで手……!?」
「悠が離さなかったんだよ。行かないで、って寝ぼけながら言って」
私が!?
夢を見たせいだろう。でも、だからって真紘先輩の手を掴んじゃうなんて迷惑以外の何者でもない。
「す、すみません!あっ!じゃあもしかして、授業……」
「うん。サボり」
やっぱり!私のせいで……!
「本当にごめんなさい……」
申し訳ない気持ちでいっぱいで、私は座ったまま深く頭を下げる。
けれど、真紘先輩は嫌な顔ひとつせず、寧ろ笑って私の頭をぽんぽんと撫でた。
「まぁかわいい後輩の付き添いなら授業休むのも仕方ないでしょ。それに大丈夫、俺笹沼と違って成績上位だし」
……そうやってまた、冗談めかして笑うからずるい。
その笑顔に弱い私は、こうしてまた甘えてしまう。
寧ろ、付き添いつないでくれていた手を、嬉しいと思ってしまうんだ。