リンク・イット・オール



その音に真紘先輩が嫌そうな顔をすると同時に、降りてきたのは中学生くらいの女の子ふたりとそれより年下の男の子がひとりだ。



「ヒロ兄が彼女連れて来たって本当!?」

「見たい見たい!」

「マジだ!女の子だ!!いつもの兄ちゃんたちじゃない!」



恐らく双子だろうか、そっくりな顔をした女の子ふたりと、真紘先輩を小さくしたような男の子。

その勢いに圧倒され返事が出来ずにいると、真紘先輩は私を背中に隠すように前に立つ。



「お前らうるさい。騒いでるヒマあったら母ちゃんの手伝いしな」

「えー、ヒロ兄のケチー」

「彼女の前だからってかっこつけー」



3人が口を尖らせ不満げに手前の部屋に入っていくのを確認すると、真紘先輩は疲れたようにため息をつき靴を脱ぐ。



「はぁ……、ごめんね、うるさくて」

「いえ、にぎやかでいいですね。4人兄弟ですか?」

「そ。俺と、中学3年の双子と小学6年の弟」



言いながら目の前にスリッパを用意してくれる真紘先輩に、私も靴を脱いでそれに足を通した。


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