リンク・イット・オール
「悠の家は?ひとりっ子?」
「はい。なので兄弟って憧れで。真紘先輩、いいお兄ちゃんって感じですね」
微笑ましく、思わずくすくすと笑ってしまうと、真紘先輩は少し照れ臭そうに「うるさい」と私の額を小突いた。
学校じゃ見られないような姿が、特別を感じさせる。
手前の部屋に通されると、そこはリビングとダイニングがつながっており、奥にはキッチンが見えた。
ダイニングに置かれた6人掛け用の横長いダイニングテーブル。そしてリビングに置かれたL字型の大きなソファ。それらが家族の多さを感じさせた。
「真紘、もうすぐご飯できるから手伝って」
「あっ!お手伝いなら私が……!」
キッチンから顔をのぞかせた真紘先輩のお母さんに、さすがになにもしないわけには、と私も手伝おうとした。
「いいよ。貧血起こして倒れたんだから、大人しくしてな」
けれど、真紘先輩に肩を掴まれ強引にソファに座らされてしまった。
普段から手伝い慣れているのか。荷物を置いてすぐキッチンへ向かいお母さんの隣に立つ彼は、いつもの学校の人気者というより、しっかりしたお兄さんだ。
すると、真紘先輩のガードがなくなったのを見計らい、双子ちゃんたちが私を囲む。