リンク・イット・オール
「ねぇねぇ、名前なんていうのー?」
「あっ、はいっ、百瀬悠と申します」
「悠ちゃんっていうんだ。1年生ー?」
人懐こいふたりは、初対面の私にもきゃっきゃっと明るく話しかける。
それが見えたらしく、キッチンからは真紘先輩の「コラ、年上には敬語!」と声がしたけれど、ふたりは気にするそぶりもない。
「で?悠ちゃんはヒロ兄のどこが好きなのー?」
「もうチューした?手つないだ?デートした?」
「え!?」
すっかり彼女だと勘違いされているらしい。
赤裸々なその質問に頬を赤くする私に、ふたりはきゃははと笑った。
中学生に冷やかされる私って……!
「ほら、ご飯できたわよー。座って」
双子ちゃんと話しているうちにご飯の支度が終わったらしい。
呼ばれるがままダイニングテーブルへ向かうと、大きなテーブルには6人分のごはんとお味噌汁が並ぶ。
中央にはサラダや酢豚が大皿に盛られている。
出来立てのほかほかとした湯気と、おいしそうな香りに、久しぶりにお腹が空いたと思った。