リンク・イット・オール
「いいのよ、こちらこそ大したおもてなしもできなくてごめんなさいね」
「また来てね!今度はヒロ兄のアルバム用意しておくから一緒に見ようね!」
「ってなに勝手に約束してんの」
ねー!と声を揃えて言う双子ちゃんに真紘先輩は怒りながら靴を履き、自転車の鍵を手に取る。
「悠、駅まで送ってく」
「えっ!そんな、いいですよ。もう遅い時間ですし」
「遅い時間だから送ってくんでしょ」
わざわざ送ってもらうなんて申し訳ない、と断るけれど、真紘先輩は呆れたように私の頭をぽんと撫でた。
その優しさが嬉しくて思わずにやけてしまいそうになっていると、こちらを見てニヤニヤとするみんなの視線に気づいた。
「やだ、ヒロ兄やさし〜」
「あれ別れ際チューするよ、絶対チューするよ」
「ひやかすな!行こ、悠」
主に双子ちゃんたちにひやかされ、さすがの真紘先輩も照れくさかったらしい。私の腕を引いて逃げるように家を出る。
庭に停めてあった自転車を再度外に出す、その頬は少し赤い。