リンク・イット・オール
「けど俺のプリンターは壊れたし、修理するにも時間と金が……ヒロと高田ん家は!?」
「うちプリンターない」
「そもそもパソコン自体ない」
首を横に振る真紘先輩と高田先輩に、笹沼先輩は「まじかよ!」となげきながらプリンターを叩く。
よく見れば、その黒いプリンターはどこか見覚えのある機械だ。
あれ……これって、もしかして。
「あ……それ、同じのうちにもあります」
「へ?」
私の言葉に、3人は声を揃えて一斉にこちらを見た。
中でも笹沼先輩は勢いよく私の肩を掴み詰め寄る。
「マジで!?プリンターあんの!?」
「はい、家族兼用ので……私は普段使わないので使い方はちょっとわからないですけど」
勢いに圧倒されながら答えると、笹沼先輩はパン!と手を合わせ、土下座する勢いで頭を下げる。
「お願いします!印刷してきてください!!」
印刷……は、構わないんだけど。
私はパソコンを普段使わないのですんなり頷けない。