リンク・イット・オール
「でも私パソコンも使い方がわからなくて、お父さんも今週は帰りが遅いので……」
そう理由を述べる私に、真紘先輩は少し考えて思いついたように言う。
「あ、じゃあこれから俺一緒に行って印刷してあげようか」
「えっ」
一緒にって、真紘先輩がうちに?
突然の提案に、驚きキョトンとしてしまう。
「データUSBに移してそれ印刷するくらいなら俺にもできるし。あ、でもいきなり家行ったら迷惑?」
「いえ、うちは構いませんが……」
「じゃあそうしよ」
ニッと笑って言う真紘先輩に、戸惑いながら頷いた。
「笹沼たちはどうする?」
「あー、俺このあと予定あるんだよなぁ」
「俺も。夜バイトある」
真紘先輩がたずねると、笹沼先輩と高田先輩は首を横に振り断った。
「ふたりきりだからって手出ししないようにね」
「しないから!」
ボソッと言う高田先輩に真紘先輩は怒るけれど、こちらの顔はボッと熱くなってしまう。