リンク・イット・オール
真紘先輩がうちに来る……!
しかも家にふたりきりだなんて。ドキドキしてきた。
そうとなれば早速、と私と真紘先輩は笹沼先輩からデータが入ったUSBを受け取り学校を出た。
それからふたりで電車に乗り、真紘先輩の家とは反対方向に数駅行くと、自宅最寄りの駅に着いた。
駅から数分住宅街を歩き着いた高層マンション前で、真紘先輩は「ほー……」と口を開けて建物を見上げる。
「すごいマンション……悠の家、もしかして金持ち?」
「そうですか?普通だと思いますけど」
話をしながら入口のオートロックを解除し、エントランスを抜けエレベーターに乗る。
そして中層階で降りて、そのまま一番手前の家の前で足を止めた。
鍵を開けドアを開けると、今日も薄暗い室内は静かだ。
けれど今日は寂しさより、背後に立つ彼へのドキドキのほうが大きい。
「どうぞ、あがってください」
「お邪魔しまーす」