初恋レモン
だけど、その後の説明は
分かりやすくしてくれて、
教室へと行くことになった。


「お~い、転校生?
っていうか引っ越しが遅れて
先週入学できなかった奴
紹介するぞ~。入れ~。」


山田先生の紹介で
黒板の前に立った。


「はい、自己紹介して。」


「川口菜々です!お、お願いします!」


…噛んじゃった。
笑われるかなって思ったけど


「え~、可愛い!」
「いい子そうだね!」


そんな嬉しい言葉が聞えてきて
ホッとした。


そして教室をぐるっと一周見回した時
一番後ろの窓側の席、
ある人物が私の視界に入った。


「あ!さっきの!」


案内してくれた男の子がいた。


思わず指を差してしまった私に
怪訝そうな顔を向けていた。
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