初恋レモン
「嘘じゃないよ?
だから、海人なんて辞めて俺にしない?」


いや…、ヤダ。


近づいてくる顔を避けようにも
抑えられてそれは叶わない。


…辞めて?


目をギュッとつぶった時、
体にかかっていた圧力が一気になくなった。


「光輝何してんだよ!!」


固く閉じた瞼を開ければそこには
海人君の姿。


「なにって…、海人が邪魔しなきゃ、ね?」


挑発する態度の光輝君。


海人君は光輝君の胸ぐらを掴んだ。


「菜々に手出すな…。
菜々は俺にとって…。」


そこまで言って
ハッとした様子で急に口を閉じた海人君。


「ねぇ、海人苦しいから離して?」


そう言った光輝君はいつもと同じで、
なにがなんだかさっぱり…。
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