初恋レモン
海人 Side


トイレに行った菜々を追って光輝も
リビングを出た。


それを最初はなんとも思ってなかったけど、
全然帰ってこない2人が
心配になって俺も廊下へ出た。


すると少し先で話し声が聞こえた。


「嘘じゃないよ?
だから、海人なんて辞めて俺にしない?」


人気のする方を見れば
菜々は光輝に壁へと追いやられていた。


それを見た瞬間、
考える間もなく俺の体は動いていた。


気付けば光輝の胸ぐらを掴んでいて
俺は怒りを抑えることが出来なかった。


「菜々に手出すな。
菜々は俺にとって…。」


俺はそこで我に返った。


今、菜々の前で俺はなんて言おうとしたんだ。


まだ、伝える覚悟が出来てなかったのに。
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