初恋レモン
「やっと言ったな?
俺は最初からさくらしか興味ないけど、
いつか、同じことが起こるかもしれない。
その時、今のお前のままで後悔しないのか?
もう、自分に嘘つくの辞めて、
前に進めよ。海人。」


呼吸を整えた光輝が言った言葉は
俺の胸に深く刺さった。


…光輝は気付いてる。
俺が、女に対するトラウマを
拭い切れていない事に。
そして、それをほんの少しだけ
菜々にも感じていることを。
でも、菜々を信じ始めていることにも…。


全部見透かされていた。


光輝のおかげでやっと覚悟が出来た。


俺は、裏切られる悲しみよりも、
菜々を誰かに取られる悲しみのが
大きいって事に。


今、目の前できょとんとしている菜々を
俺の手で守っていきたい。


光輝、ありがとう。


海人Side END
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