初恋レモン
「菜々が好き。俺と付き合ってくれませんか?」


目に涙が溜まってはっきりとは見えないけど、
海人君が頭を下げて
手を差し出している。


答えは…1つしかない。


「…はいっ!」


海人君の手を取り、お互い笑い合った。


と思ったら体は温かい感触に包まれていた。


「菜々。好きだよ。」


もう一度くれた”好き”って言葉。


「私も…、初恋だった。
海人君にもう一度会いたくて東京に来たの。
ずっとずっと、あの日から
私の気持ちは変わってないよ。
海人君が大好き…。」


今、抱き合ってるから海人君が
どんな表情をしているのかは
分からない。
でも、抱きしめる腕に
ギュッと力を込められて
喜んでくれてるのかな?
なんて勝手に思った。
< 111 / 297 >

この作品をシェア

pagetop