初恋レモン
「どうした?暑い?」


私に目線を合わせて腰を折るようにして
顔を覗き込まれた。


…近いです。


「なっなんでもない!」


バッと海人君から距離を取った。


「そお?」


不審に思われてなくて良かった…。


「菜々ーー!アイス食べよ~!」


そんな時さくらちゃんが現れた。


正直ホッとした。
付き合ってから二人きりになったのは
今が初めてで、どうしたらいいのか
分からなかったから。


うん!と返事をして
さくらちゃんに駆け寄ろうとしたけど
それは叶わなかった。


「…さくら、せっかくの時間
邪魔しないでくれる?」


なんとなんと
海人君に背後から抱きしめられて
腕の中にすっぽりと
収まっているではないですか。
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