初恋レモン
「ダメ、菜々面白すぎるよ!
さっきから百面相して
なに考えてたの~?」


ニヤニヤと言ってくるさくらちゃんは
絶対に分かってるのに
意地悪な質問をしてきた。


私は言葉に出来ず、
ただ顔を赤く染めていたところで


「大丈夫。
菜々が想像してるようなことはないよ。
お望みなら話は別だけどね?」


ポンと優しく頭を撫でてくれる海人君。
いつもならその行動に
ドキッとするんだけど、今は違う。
『お望みなら』その言葉に心臓が
反応してしまった。
まさか海人君がそんな事を言うなんて
思ってもみなかったから。


その場にいるのに耐え切れず
勢いよくコクコクと2回頷いて
さくらちゃんの手を引っ張り
アイスの売店へ向かった。
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