初恋レモン
旭君と2人、夕日に照らされた
静かな廊下を歩いていた。


「ここが保健室で
2階に図書室と会議室あるから。
それから…」


よっぽど私と2人が嫌なのか
喋る隙も与えてくれないほど
淡々と説明をしながら歩いている。


「ねぇ、旭く…」「ここが3年生の棟。」


話しかけるのは許されないらしい。
三回挑戦してみたけど、
全部遮られた。
普通の女の子ならここで普通は諦めると思う。
でも、私意外と頑固だから
どうしても喋りたいって
思っちゃったんだ。


「で、そこが美術室で…」「海人君!!」


今度は私が旭君の言葉を遮った。
しかも勢いで下の名前で
呼んじゃったけど、まぁいっか。
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