初恋レモン
「どうしたの?ぼーっとして!
食べようよ!」


ニコニコでケーキを見つめる菜々が
つい可愛くて自分の元へ引き寄せた。


「…へ!?」


突然抱きしめられたことに
素直に変な声出して
驚いちゃうところがまた可愛い。


「菜々、好き。」


なんとなく伝えたくなったんだ。
”愛しい”そんな感情が芽生えたから。


ニコニコしたり赤くなったり、
コロコロ表情が変わる菜々は
毎日見ていても飽きない。
むしろ、そんな菜々を見ているのが
幸せだと感じる。
これからも、俺の傍で
そうやって笑ってて。
そんな願いを込めて、もう一度強く
菜々を抱きしめた。


***


どの位自分の世界に浸っていたんだろう。


「海人君?」


菜々の不思議そうな声で我に返った。
< 155 / 297 >

この作品をシェア

pagetop