初恋レモン
「あぁ、ごめん。」


大丈夫だよと言えば、
よかったと微笑んだ。
そして菜々は小悪魔になった。


「あ、あのね?
私も、好き、だよ?」


らしくなく、顔が熱くなった。


…不意打ちはダメだろ。


「え、顔真っ赤だけど暑い?」


俺が照れてるって思ってない菜々。
こんな風にしたのは
自分だってのに、本当に天然は怖い。


赤く染まった顔を見られたくなくて
もう一度、菜々を引き寄せた。


「そういう可愛い事、俺以外にしないで。」


そういう事が、どういう事か
分かってない様子だったけど、
一応うんと返事はしていた。


「よし。じゃあ食べようか。」


俺の言葉に菜々は目を輝かせ
ケーキにかぶりついた。

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