初恋レモン
ケーキを完食して
寝る準備が終わった頃、
ここでようやく菜々が気付いた。


「あ、れ…?
海人君寝る場所…。」


そこまで言って顔を真っ赤に染めた。


「安心して、俺ソファで寝るから。」


そう言ってみたけど、
ソファは2人が座ってちょうどいいサイズ。
要は寝るのには適さない。
だけど、そこ以外に寝る場所はない。
今は夏だし、ここで寝たからって
風邪をひく可能性は低い。
固まる菜々に早く寝なとだけ
声を掛けてソファへ向かおうとすると


―――ギュ


服の裾を掴まれた。


振り返れば
未だに顔を真っ赤にしてる菜々が
信じられない言葉を口にした。


「…一緒に寝よ。」


…嘘だろ?
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