初恋レモン
…どうしてお見通しなんだろう。


「菜々の考えることは大体分かるよ。
それに悩むのは当たり前だし。
初めてのスマホなんだから。
…でも、菜々が俺に決めてって言うなら、
これは?」


そういって差し出されたのは
白が基調になっていて、
周りをピンクのラインで囲んでいるもの。


「すっごく可愛い!」


ラインの所にはストーンも
所々に埋め込まれていて
キラキラしている。


「それにする!」


私は即決だった。


「よかった、気に入ってくれて。」


優しく微笑んだ海人君は
更にこう続けた。


「ちなみにこれ、俺と色違い。」


そう言って、私に勧めたスマホと
自分のスマホを横に並べた。
海人君のは黒にシルバーのラインが
入っていて、
確かに同じデザインだった。
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