初恋レモン
「そんな口パクパクさせて
魚みたい。」


…なっ!


「だ、だって海人君が…!」


「俺が、何?」


あー…またこの意地悪な顔。


「キ、キ…」


「キ?」


「キ…」


スなんて言えない!!


「~///なんでもない!!」


顔をそらせば 
後ろから引き寄せられて
大好きな香りに包まれた。


「菜々可愛い。」


そう囁かれてからは
景色どころではなくなって
あっという間に1周を終えてしまった。


ドキドキしすぎて
おぼつかない足取りで観覧車を下りた。


結局そのドキドキは
家に帰るまで収まる事はなかった。
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