初恋レモン
言…っちゃった…。


呼吸を整えるために下げた視線を
海人君へと戻すと
おでこに指先を添えて
笑いを堪えていた。


「…ふっ、はは!
やっぱり菜々最高だね。
嫉妬してくれたんだ。
可愛いね。」


吹き出した後、
ニヤッと意地悪な笑みを浮かべたと思ったら
視界は一気に暗くなり、
抱きしめられてるんだと気付いた。


「安心して、これから先
俺に触れるのは菜々だけだから。」


耳元でそう囁かれて
急に自分が言ってしまったことの
恥ずかしさを思い知った。


「…って事で、
お客として来てくれるのは
有り難いけど、
それ以外の理由なら
俺の大事な彼女が心配しちゃうから
控えてくれるかな?」
< 192 / 297 >

この作品をシェア

pagetop