初恋レモン
「私、川口菜々!小学4年生!
キミは?」


「旭海人!俺も同い年!」


「そうなんだ!嬉しいね!」


しばらく目を合わせ笑い合った後、


「あ、これ!」


差し出したのはさっきのレモン。


俺はレモンを受け取って眺めていた。


「ねぇ、レモンの花言葉知ってる?」


砂浜に座り込むと
菜々は突然俺にそんな質問をしてきた。


「ううん、知らない。」


「教えてあげる!
レモンはね、”誠実な愛”って言うんだよ!
だから、パパはママにレモンの花束を渡して
プロポーズしたんだって!
私もいつかそんな人と恋したいなーって
思ってるんだ!」


また、えへへと、
今度は少し恥ずかしそうに笑った。
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